余った控除枠を使って、投信売却時の税金を回避する技については以前述べました。
実際、2021年度確定申告では14万円強の所得税を取り戻しています。
この技をさらに強化すべく、控除枠の拡大を検討してきました。
具体的には、国民年金の追納です。これにより社会保険控除枠を拡大できます。
仮に50万円を追納したら、50万円の控除枠が生まれます。
これにより売却益50万円の源泉徴収15%=7.5万円をプラスで取り戻せます。
ただし問題となるのは、将来の自分に先送りした50万円を、寿命までに取り戻せるかです。
結論から言うと、寿命までに取り戻せるか微妙なので見送ろうかと考えています。
回収に20年以上かかる
ねんきんネットで試算してみたところ、50万円を取り戻すのに20年、つまり85歳にならないと損益分岐点を超えません。より正確にはもう少しかかります。
下記は30カ月分の追納=495,000円を追納した場合の年金増額分の比較。
これをみると、20.5年ほどで追納した金額を取り戻すことになりそうです。
50万円を投入して税金10万円を回収したとして、実質40万円を取り返すと考えても、損益分岐は82〜3歳くらいでしょうか。
さらに、年金収入には税金がかかることを忘れてはいけません。65歳以上の場合、年金収入158万円超で非課税枠から外れるので、追納分にはトータルで15%ほど課税されるととみなせます(多分)。つまり7.5万円分を上乗せで取り返すこととなり、やっぱり85歳くらいが損益分岐点になりそうです。
そう考えると、今の50万円をポンと突っ込めるほど魅力的な選択ではなくなってきます。
投信乗り換えのコスト削減は
他方で、僕は「外国株インデックスe」(旧TAM)という、今となっては高コストな投資信託を相当数保有しています。これの保有コストが年0.55%と高いのです。
これを売却し低コストなeMaxis Slim先進国株(0.1023%)に乗り換えた場合、保有コストが0.45ポイント低下します。仮に100万円分を売却、再購入したら年間4500円のコスト削減になるわけです(その際の源泉徴収分15%分は控除で取り返す前提)。
年金が出るまで14年ありますから、トータルで6.3万円。その後は取り崩しもあるので、少しずつ減ることになりますが、10万円くらいはコスト削減で捻出できるでしょう。
つまり、控除枠50万円分をつくって投信を100万円くらい売却、利益が50万円出たという単純化したモデルの場合、コスト削減効果でプラス10万円ほど見込めるわけです。
となると損益分岐点は50万円-税金7.5万円-コスト削減10万円+年金への税金7.5万円=40万円、80歳強になります。
うーん微妙
投資するのがいちばんいいのだけれど
理屈では、50万円を投資に入れて4%前後の複利で回せば14年で86.6万円、税引き後で79.3万円になります。これがいちばん増える結果になる。
とはいえ、そもそも現金・年金は非リスク資産なので、これをリスク資産に組み込むとなると前提が変わってきちゃいますね。なら手持ちの非リスク資産を全額ぶち込んでいいという話になりますし。というわけで、この考え方は採用しません。
結論としては、2021年度確定申告と同様に、100万円の控除枠を最大限使って投信を売却し、源泉徴収分を取り返す戦略を継続することになりそうです。
あーあ(ちょっとやってみたかった)。
(2022/3/5追記)
遺族年金も併せて考えると、国民年金への追加資金投入は避けるべきと思われます。
夫死亡時の妻の年金への上乗せは、「国民年金は基本的にゼロ」*1「厚生年金は比例報酬分の4分の3」です。なので国民年金にお金を突っ込んでも、妻の老後に備えられません。
妻が長生きする前提で、妻の年金追納に突っ込むのもアリ(僕が払っても僕の社会保険控除枠にカウントできる)ですが、前述のとおり取り返すのに時間がかかるので気乗りしません。
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