【重要】
当初、住民税5%分は取り戻せないと書いた後、「やはり取り戻せそう」と記事を修正しました。
ですが、2022年6月に改めて自治体に確認したところ「戻らない」ことが判明しました。
よって記事を再度修正しました。残念です… (2022/6/25)
アーリーリタイアして収入がほとんどない場合の節税戦略について。
実は、所得がほとんどない場合、投信売却で源泉徴収された税金(分離課税20%)の75%を取り戻す方法があります。
【概要】
- 対象:所得がほとんどなく各種控除が余りまくっている人
- 上限:(各種控除の合算)ー(収入)で算出した金額まで
- 節税額:分離課税20%のうち所得税分の15%相当額(特定口座で源泉ありに限る)
- 手法:上記上限金額まで投信を売却し、確定申告で売却益を総合課税で申告
- 注意点:申告不要制度を使って住民税は非課税、国保も減免する
以前ツイッターでこんなことを書きました。
イメージとして…青色申告で65万、基礎控除で38万で控除枠が103万円。このうち控除枠が50万円余ったと仮定し、そこに売却益50万円(控除後)を当ててやれば源泉徴収された10万円が戻ってくる。年末に旧投信を売却、同時に同額のSlimシリーズを購入すれば無税で乗り換えが可能になる
— しんの (@shinnox2) 2021年2月19日
上記はかなり間違いが入ってるので鵜呑みにしないでください。*1
ざっくり言えば、余った所得控除を、投信の売却益にぶつけて相殺できるようです。 分離課税で源泉徴収された譲渡益の所得税部分(20%のうち15%)を、確定申告すれば取り戻せるわけですね。
年末も近づいてきたので、確定申告のサイトでいろいろ試してみて、いけそうだとの感触を得ました。
(2022/6/25修正)
当初はフォロワーさんから「住民税5%分も戻った」という情報をいただいており、戻るのかなと思っていましたが、戻らないことが判明しました。
恐らく確定申告で、住民税の申告不要制度を使わず、総合課税か分離課税で申告したものと思われます。この場合、所得が少なく控除が多ければ住民税が還付される可能性があります。
毎年100万円弱まで益出し可能
では、どうすれば売却益にかかる税金を無税にできるのか。
この記事では、アーリーリタイアして所得がほぼゼロの人を対象にしています。なので、一定以上の所得がある人は使えません。
所得がゼロで、、下記控除がまるまる使われずに残っているとの仮定で話を進めます。
(下記数字は、夫婦2人で子供1人、妻は専業主婦あるいは控除内パート程度の稼ぎ、という前提。国保は7割減免、生命保険料控除は参考程度)
ほとんど仕事してないFIRE世帯は似たような金額になるでしょう。
この金額に対して、
の利益が出た状態にして、確定申告書作成コーナーにて試算しました。
細かい数字は省きますが、源泉徴収される19万円に対して、14万3000円ほど(約75%)が還付されると出ました。
はじめは100%戻るのでは?と思っていたのですが、分離課税20%=所得税15%+住民税5%なので、対象になるのは所得税部分だけ=75%相当になります。*2
この手法を使えば、理論的には売却益にかかる税金を75%カットとしつつ、含み益が出た投信を年に1回、現金化できるはずです。
ネックは国保税
ただし注意点が2つあります。
- 売却益は毎年100万円弱(余った控除の上限)まで
- 国保税が数万円上がる??
上記の技は確定申告のときにしか使えません。なので、投信を売却できる上限は、「100万円弱の譲渡益分」(売却金額ではありません)となります。*3
投信の売却益は、注文時にははっきり出せません。注文から約定までのラグがあるため、売却時の基準価額でおおまかに計算して出すしかないはず(ここは自信ない)。なので少し少なめに売って、利益が出すぎないようにします。
もう一つは国保税。こちらの算定基準となるのは、「旧ただし書き所得」なるものらしく、使える控除は基礎控除43万円だけです(所得税の基礎控除48万円と金額も異なる)。
ここで登場するのが、住民税の「申告不要制度」です。この制度は、市区町村に対して「所得税は総合課税で確定申告したけど、住民税は『配当所得と譲渡所得はもう源泉徴収されてるから、収入に上乗せしないで(ゼロ円で)計算してね★』テヘペロ」と伝えるものです。
この制度を活用すれば、所得=ゼロ、基礎控除43万円がまるまる余って、国保は7割減免となるはずです。
年金が支給される65歳までは、所得ゼロが続くはずなので上記の手法が使えるはずです。なのであと10数年…ざっと900万〜1000万円の売却益を、ほぼ課税されずに取り戻せます。節税額は180万〜200万円に達するでしょう。
(2022/6/25追記)岸田政権のせいで、2022年分の確定申告で申告不要制度が終わってしまうため、住民税と国保減免については改めて検討する必要があります。
さらに、年金受給年齢を後ろ倒しにしてやれば、さらに節税期間を伸ばしつつ年金受取金額を増やすことも可能になるはずです(下記Tannerさんのブログを参考にしてください)。
synergeticlifestyle.blog.fc2.com
僕の場合は、投資当初に買っていた「三井住友TAM-外国株式インデックスe」(信託報酬0.55%)という高コスト投信が資産の少なからぬ量を占めていますので、これを売却するとともに、低コストのSlimシリーズやETFに買い替えていきます。
これで、持ち出しコストを抑えつつ低コストな投信/ETFに切り替えていくつもりです。もしくは、リバランス(無リスク資産=現金を増やす)の一環としても使います。
本来、リタイア生活するなら配当金の出る国内株式やETFの方が楽です。配当収入を総合課税で申告し、配当控除を使いつつ、さらに申告不要制度で「所得がない」と申告し、住民税をゼロにして国保も最低維持できるからです。
ただ投信メインのリタイア生活でも、多少の手間はかかりますが、上記のやり方で資産を有利に取り崩せるはずです。
どうでもいいけど税金ムズいよ!
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