早期リタイア3年生+n

早期リタイア3年生(+n)

ギリ40代でリタイアした元会社員。今は限りなく無職にちかいフリーライター。投資も少し。

【今日は退職日】 セミリタイアとは「ひとり働き方改革」なのです

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  本日2019年7月31日をもって会社員から足抜けする、セミリタイア初心者しんの(@shinnox2)です。 ひゃっほう。ちなみに本日は家族と猫をモフりに旅行に出ています。大事なのは退職よりも猫です。

 

 さてセミリタイア生活に本格的に突入するにあたり、これまで働き方について振り返っておきたいと思います。

 

 僕は記者という若干特殊な仕事を稼業にしてきました。特殊な働き方の最たるものは「仕事が終わるまで働く」という文化でしょう。

 

 いわゆる裁量労働制のため、残業という概念自体がなく、何時間働いても残業代は出ません。「みなし残業」として20〜30時間前後の残業代が給与に上乗せ支給されていました。うまく立ち回って残業しなければ丸儲け、と思われるかもしれませんが、平均残業時間(に相当する労働時間)は当初60時間、直近でも40時間ほどで、まったく割に合いません。

 

 若い頃はパワーで乗り切り、途中からは書くスピードを上げる方法を必死で編み出し効率化して乗り切ってきたものの、ポジションが上がって記者の面倒をみるようになると行き詰まるようになりました。自分の原稿を書きながら、他人の原稿を読む時間も確保しなければなりません。結果として、自分の原稿を1週間ほど早回ししないと、部下の原稿を読む時間を確保できなくなったのです。

 

職場にはびこる”時間泥棒”

 この頃に子どもが生まれたこともあり、時間はいくらあっても足りません。仕事を最速で片付けて帰るために、労働時間をいかに縮めるか=業務を効率化する手法を必死で考えていました。最終的には、「仕事をしながら次の仕事の準備を進める」、つまり原稿を書きながら次の原稿(取材)の準備を並行して進め、入稿が終わったらすぐに次の仕事に取りかかれるようにしたのです。*1これにより、取材アポの待ち時間を圧縮して、何とか部下の記事を読む時間と家庭の時間を確保できるようにしました。

 

 働き方に疑問が生まれてきたのも、ちょうどこの頃です。どれだけ効率化しても、上流と下流…つまり、部下の原稿の仕上がりスピードと、編集長が原稿を読むスピードが上がらなければ、仕事が止まってしまうのです。自分が必死に確保した時間を、他人の工程の遅れで消費される現状にモヤモヤするようになったのです。

 

 もっとも、部下の原稿が遅れるのは、ある程度織り込み済みです。事前にスケジュール感を共有し、進捗を適宜報告してくれれば(多少なら)構いません。最後は自分が引き取って体裁を整えれば間に合う自信もありました。

 

 問題となるのは、いつも上司なのですよ。スケジュールを守らず、最後に一気に片付けるタイプが上にいると、すべての工程が行き詰まり、時間を消費されてしまいます。この手のタイプは記者時代から締め切りをきちんと守れないタイプが多く、他人の時間に無頓着な「時間泥棒」です。「遅くまで頑張っている」ことを評価するので、職場全体が過負荷に陥っていても気にしません。

 

 最後の職場がまさに上記のパターンで、何回か会議で提言(単にキレたとも言う)し、業務の見直しを職場全体で進めることになりました。ですが結局、効率化で得た時間を上司がすべて食いつぶしてしまう結果に終わりました。

 

組織が働き方を変えないなら、自分が変わるしかない

 僕にとってのセミリタイアとは、ある意味「ひとり働き方改革」なのです。組織的に失敗した働き方改革に失望して、自分が望む生き方を選ぶには、仕事を辞める=セミリタイアする、という選択肢が最も正しいように思えました。

 

 その判断は、今になっても変わっていません。組織の中で働く以上、どうしても他人との調整が必要になります。会社員人生は、その調整の主導権をどこまで握れるかが勝負ともいえます。僕が仮に上のポジションに上がっても、さらに上の上司との調整が必要になり、それは経営幹部に近づくだけに、さらにシビアになることが予想されました。

 

 いわゆる「先が見えた」に近い感覚なのです。さらに上に上がってできることと、支払わなければいけない代償を考えると、あまり魅力的に思えなかったのです。雑誌を作ることよりも、もっと家族と過ごす時間が欲しい。幸い、これまでに蓄えた資産と、インデックス投資という「資産を延命させる仕掛け」を経験を通して知り、仕事を辞めても生きていけそうな見通しもありました。

 

 会社員という身分を手放してみると、とてもフワフワした、身の置き所がない不安定さを感じます。ただ時間とともにこの状況にも慣れてきました。今後はこの自由な時間をどう使っていくか、ゆっくり考えていきたいと思っています。

 


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*1:当たり前のように思われるかもしれませんが、原稿を書く=これまでの取材をまとめて文章に落とし込む作業と、取材準備=まだ知らない事実を調べて整理し仮説を立て、新しい取材先も調べてアポを取る作業を同時並行でやるのは極めて難しいものです。英語のテストを受けながら、同時に数学の勉強をやってるようなもんです