仕事を辞める前に、子供になんて伝えようか悩んだ時期がありました。
子供小さければ「わーいお父さんが家で遊んでくれるー」となり、大学生くらいになれば子育ても終わったも同然なので、「ああそう、お疲れさんでした」くらいで終わるでしょう。
でもうちの子供は中学2年生で、ちょうどその端境期にいます。変に心配させたくもないし…という気持ちがグルグル回ります。とはいえ、辞めたことを言わないと、なんで父親がずっと家にいるのか不審に思うはず。
「お父さん最近帰るの早くない?」
「最近仕事が暇になってね」
「ところで、最近ワイシャツにアイロンかけてないみたいだね」
「君のような勘の良いガキは嫌いだよ」
こういう展開にならないとも限らないので、早めに伝えておくにこしたことはありません。妻に了解を得て週末に切り出しました。
「大事な話がある」
「はい」
「お父さんな、仕事を辞めることにした」
「へー、そうなんだ」
「安心しろ、お前を大学に通わせるぐらいの蓄えはある」
「ありがとう」
「以上だ」
「わかった」
終了
いや、あっさりしすぎじゃない息子? 中2ってこんなもん? という疑問を胸に休みに突入しました。
平日は、朝はいつも通り学校に向かい(以前から子供の方が早く出る)、夕方に帰ってきた後も特に変わりなく勉強したりゲームしたりしています。変わったことといえば、夕食を毎日いっしょに取るようになったことくらいでしょうか。
そもそも会社員とはいえ不規則な編集部生活だったので、直行直帰も以前は多かったし、朝に融通が効くので子供の学校行事に顔を出してから出社することもありました。こうしたバックグラウンドがあったから、家にいる時間が増えてもたいして気にしてないのかもしれません。
子供がどう思っているか本当のところはわかりませんが、中2らしく多少反抗もしてくるから、僕に気を使っているわけでもなさそう。むしろ、悪天候の時は「駅の近くまで車で送ってー」などと気軽に頼んでくるようになったので、暇人がいて助かると思っているのかもしれません。