一括投資と積み立て投資、どちらがいいのかという話です。長期的にみれば株価は上昇するので、時間の恩恵を受けられる一括投資の方が効率はいいと言われます。ただし、実際には株価は変動しますから、心理的にはドルコストのような積み立て投資の方が継続しやすいでしょう。
かくいう私は、投資を始めた頃は一括投資派でした。年初にドカッと、その年の投資資金の半分くらいを投入して、残りを積み立てるというスタイルです。これまで投資してこなかったことから、なるべく早く資金をリスク資産へと切り替えたい、という思いがありました。今振り返れば、少し焦っていたようにも思います。
相場が大きく下がったときには追加で資金を投入したりもしました。ただ、数回繰り返すと「ああ、もっと下がっちゃった」という局面に何度も遭遇します。そこで追加投資する度胸がなく見送っていると、しばらくすると相場が上向いて「やっぱり買っておけばよかった」となり、また下がって「いや、見送って正解だった」などと考え得るようになりました。
こうした経験を経て、次第に積み立て投資がメインとなり、たまに余剰資金を数回に分けて投入するようなスタイルへと変わっていきました。現在は積み立て投資しつつ、相場がある一定のラインまで下がったら積み立て額を増やす、というスタイルに落ち着いています。
ただ、投資初期に一括投資をアホのように繰り返した結果、早期にリスク資産が積み上がり、アベノミクスの追い風もあって含み益は大きく膨らみました。SBI証券の「トータルリターン」は9年で37％という数字を示しています。結果的にうまくいった格好ですが、これはあくまで運が良かっただけに過ぎません。景気が急減速したも家計が回るよう、無リスク資産をきちんと保持していく考えです。
